The KYOKO KAGAWA Empire

 「赤ひげ」

  Red Beard

 (2002/05/20)


(1965)東宝=黒澤プロダクション

監督:黒澤明/製作:田中友幸、菊島隆三/脚本:井手雅人、小国英雄、菊島隆三、黒澤明/原作:山本周五郎/撮影:中井朝一、斎藤孝雄

出演:三船敏郎、加山雄三、山崎努、団令子、桑野みゆき、香川京子、江原達怡、二木てるみ、根岸明美、頭師佳孝、土屋嘉男


 江戸時代の小石川療養所を舞台に、型破りな医師=赤ひげの活躍を描く物語。黒澤明、東宝での黄金期の最後を飾る3時間以上の超大作。学校出たての医師の卵でエリートの加山雄三は、いきなり貧乏病院の小石川療養所に連れて来られて大いにクサる。おまけにここの親分である「赤ひげ」なる医師=三船敏郎が、何とも偏屈で愛想なしな人物なのが二重三重に気に食わない。最初はこの三船赤ひげの言うことなすこと何から何まで逆らってブーたれる加山。だがそのうちに加山は自分の至らなさにイヤというほど気付かされるとともに、孤高の貧乏医師・赤ひげの人間的素晴しさに目覚めてくる。

 また、中心に三船=加山という骨太な「師弟関係」のドラマをど〜んと据えながら、途中にさまざまなエピソードをはさみ込んで、江戸情緒たっぷりな人間群像を見せていくいかにも山本周五郎原作らしい趣向もたっぷり。

 で、肝心の香川京子はというと、これが従来の彼女のイメージを覆えす役どころ。ある大店のお嬢さまにも関わらず、小石川療養所の庭の片隅の座敷牢に監禁されている娘だ。狂っていて危険だという話を聞いていても、赤ひげ憎しで凝り固まってる加山には、逆に赤ひげに虐げられている気の毒な娘と思い込んでしまうところもあったんだろうね。ある夜この娘が座敷牢から逃げ出して、たまたま加山の部屋に現われると、加山はこの娘の言うことを真に受けて愚かにも匿ってしまう。それに何よりも彼女は可愛かった。こんな可愛い女の子が狂っている訳がない。いわんやあの偏屈な赤ひげとこの京子ちゃんとじゃ、どっちを信用するかは見れば明らかだ。この映画での香川京子の役は小さいけれど、とにかくインパクトがデカいし彼女の個性を生かし切った役。彼女の清純で誠実そうな個性があったればこそ、加山もお客さんも100パーセント彼女に味方したくなるのだ。だが、そんな香川京子にすっかり気を許した加山は、彼女にはがい締めにされ危うく刺されそうなハメになる。この時の彼女の豹変ぶりも凄い。結局、人や物事を上辺だけで見てはダメだと思い知らされる加山は、徐々に素直さを取り戻して赤ひげの人柄に惹かれるようになるのだ。でも、こんな可愛い香川京子にはがい締めにされ殺されるなら、まさしく文字通りの昇天。絶対成仏できそう。あぁ、それこそ至福の時(笑)。

 


 

 

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