「巨大アメーバの惑星」

  The Angry Red Planet

 (2000/05/28)


 こちらペンタゴン。軍人たちが何やら難しい顔して会議している。何でも火星に向けて出発した探検隊のロケットがずっと消息を絶っていたが、それが地球に戻ってきているとか。その探検隊は隊長のトム、紅一点のライアン博士、ずんぐりむっくりのサム、初老の教授の4人。ロケットは基地に無事着陸するが、出てきたのはライアン博士のみ。あわててロケットの中を見てみるが、残っているのはあと隊長のトムだけ。それも緑色の粘液が付着した変わり果てた姿で虫の息だ。

 生き残りの二人を病院に収容して、とりあえず紅一点ライアン博士に事情を聞こうとするが、精神的ショックから記憶がない。だが、何が起きたか分からないとトムを助ける手だてもないと、ライアン博士は薬物による記憶の回復を試みる。そこで語られた真相とは?

 この映画、イブ・メルキオールとシド・ピンクという、あの無惨な「冷凍凶獣の惨殺」のスタッフが関わった作品。だが、こちらは「冷凍凶獣」とうって変わって、ペンタゴンの基地のセットなど結構お金はかかっている感じ。少なくともチャチさは感じられない。

 さて、火星をめざす4人の探検隊から話は始まる。無事に着陸してみたものの、目の前に広がる景色は見慣れないもので、怖じ気づいたか探検隊はああでもないこうでもないと議論ばかりでなかなか外に出ない。そこに窓から三つ目の化け物が覗いたもんだから、思わずライアン博士は「キャ〜ッ」と失神。また出発が遅れる。おいおい、おまえら何しに来たんだよ。

 やっとこ外に出てみると、何から何まで真っ赤っかな世界だ。画面にもフィルターかけたりハレーションを起こしたような処理を施して気分は満点。何でも「CINEMAGIC」なる特殊効果を使ってるとか。何だそのマジックって?

 ジャングルに入ってライアン博士が、たちまち生物を捕食する植物に襲われるのはお約束。ここは「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」か…なんて意地悪なこと言ってたら、こういう映画は楽しめない。

 そのうち何度か探検するたびに、クモの足の上にネズミを乗っけたような巨大生物が登場したりして、ようやくSF映画らしい気分が出てくるんだけど、こいつらいちいち何かあるたびロケットに引っ込んでばかりなんで、せっかく盛り上がったSF気分も便秘みたいな感じになってくる。イライラしてくるねぇ。

 この火星世界があまりに静かだと怪しむ教授。なぜか通信も不通になっている。ロケットを点火させて帰ろうとするが、エンジン吹かしても離陸できない。ここで教授は、すべてを何者かがコントロールしてるんだと断定する。思い切りがいい科学者だよねぇ。

 仕方なくゴムボートで火星の湖を横断しようと試みる一同。すると彼方に文明都市が見えるじゃないか。いよいよ火星人との遭遇だと隊員も見ているこっちも勢い込むが、突然湖面が泡立ち始める。待ってました! 巨大生物の登場だ! 慌てて引き返し、岸に避難する隊員たち。しかし巨大生物はどんどん岸に上がってきて隊員たちを追ってくる。ここで隊員たちはこの生物を「アメーバ」と説明しているが、どう見てもクラゲのカサの化け物みたいだし、第一表面に目玉があるんだぜ(笑)。おまけにこの目玉がぐるんぐるんと回ってるのはどういうことなんだ。目が回ってるのか? 笑いをとろうとしてるとしか思えない。これが主役の「巨大アメーバ」とは…。

 隊員たちはロケットに逃れようとするが、運悪くサムが飲み込まれてしまう。他の三人は難を逃れたものの、アメーバはロケットを包み込んでしまう。一同は閉じこめられてしまった。教授は知恵を絞って電気ショックでアメーバを退散させるが、この心労で倒れてしまった。そこに不通だった通信が入ってくる。だが、それは聞いたこともない気味悪い声だった。

 「おぼえておけ、これは警告だぞ!」 

 窓を見たら、またもやあの三つ目くんじゃないか。またも失神のライアン博士。三つ目もライアン博士もおまえら揃いも揃って芸がなさすぎ。

 ライアン博士が気づいてみたら、教授はくたばってた。そしてなぜかトムは粘液に侵されてた。ロケットはなぜか地球めざして発進していて…。

 

 この映画、実は中学生の頃にテレビで見た記憶があるんだね。その時は怪物たちに圧倒された記憶があるんだが、今回見たらちょっと失望しちゃったな。今回はアメリカから輸入したビデオで再見。その字幕なしの状態で見たこともあるんだろうけど、ともかく会話ばかり続くんでカッタるいんだね。怪物の造形なんか結構楽しくて、それは記憶通りだったんだけど、ともかく出番が少なすぎるんだよねぇ。そして、何だかんだと馬ヅラの隊長と紅一点のライアン博士がイチャイチャしてて、馬ヅラの色目使い見せられるたびにウンザリさせられる。このくだりが異常に長くて、また一つ見せ場あるたびにイチャつくわけ。頭くるよこれは。

 最終的には電気ショックを使って隊長の粘液を取り除きハッピーエンド。一本だけ残された記録テープを聴いてみると、例の三つ目火星人のメッセージが残されていて、とにかく「おまえら地球人に来られたくねえんだよ。二度と来るんじゃねえボケ!」とか言っている。どうやら、例の怪物たちも地球人へのイヤがらせみたいなんだけど、そんなのセリフで聞かせられてもねぇ。オチまでサエねえよ。

 考えてみると、これ僕が初めてテレビで見てから約25年。四半世紀の間ず〜っと期待していたわけで、それが世紀も改まった今こんな結末を迎えようとは、そっちの方がよっぽど衝撃のラストだったよ。原題は「The Angry Red Planet」…「怒れる赤い惑星」だって? 怒って赤くなってるのは俺の方だって(笑)。とにかく、これから見る方は気をつけてくれよ。

 おぼえておけ、これは警告だぞぉ〜(涙)!

 


The Angry Red Planet

(1960年・アメリカ)アメリカン・インターナショナル制作

日本劇場未公開/テレビ放映・ビデオ発売(現在廃盤)のみ

監督:イブ・メルキオール

制作:シド・ピンク&ノーマン・モーラー

脚本:シド・ピンク&イブ・メルキオール

出演:ジェラルド・モール(探検隊長トム・オバニオン大佐)、ノーラ・ヘイデン(紅一点のノーラ・ヘイデン博士)、レス・トラメイン(教授)、ジャック・クルーシェン(サム・ジェイコブス軍曹)

2001年5月3日・輸入ビデオ(MGM「ミッドナイト・シアター」シリーズ)にて鑑賞


 

 

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