スケッチ その2
『ガンビーのガンビーによる脳外科手術(Gumby Brain Specialist)』
第三シリーズ6話より
出演
T.F.ガンビー・・・マイケル・ペイリン
脳専門医・・・ジョン・クリーズ
脳外科医・・・グレアム・チャップマン
麻酔医・・・テリー・ジョーンズ
手術医・・・テリー・ギリアム、ジョン・クリーズ他
看護婦・・・アイドル夫人(当時)
『ガンビー』とは、ヨークシャーの海辺に出没するおっさん達がモデルの、シリーズ中最も危険なキャラクターのこと。丸眼鏡、ちょび髭、吊りズボン、頭には四方を結ったハンカチという出で立ちで、独特のアクセントで叫ぶ、不思議な連中。このスケッチは、登場人物のほとんどが「ガンビー」という壮絶な話です。
『ハーレー街』と書かれた看板のアップ。場面は変わって、豪奢な室内の「ハーレー街診療室」。ノックの音が三回。ノックはやがて激しくなり、ドアをぶち破らんばかりの勢いになり、やがてドアを開いてT.F.ガンビーが入って来るが、なぜか背中を向けて入ってくる。
T.F.「センセ〜! センセ〜! セ〜ンセ〜イ! セ〜ンセ〜イ!」
室内を探すT.F.。やがて机の上にある呼び鈴を見つける。
T.F.「(呼び鈴を連打しながら)センセ〜!」
今度はインターホンを見つける。
T.F.「(インターホンの呼び出しボタンを乱打しながら)センセ〜!」
やがてインターホンを机ごと破壊するT.F.
T.F.「センセ〜!(机を破壊しながら)センセ〜! センセ〜! センセ〜! センセ〜どこぉ〜!?」
机は見る影もなく破壊される。そこへ、白衣を着た専門医が入ってくるが、白衣の下はT.F.とお揃いの出で立ち。丸眼鏡、ちょび髭、頭にはハンカチである。専門医は部屋の惨状をそれとなく見回している。
専門医「どぉ〜しましたぁ〜?!」

T.F.「あんたが脳専門のせんせい?!」

専門医はきょとんとしている。何を言われているのか分からない様子。
専門医「どぉ〜しました〜?!」
T.F.「あんたが脳専門のせんせい?!」
専門医は慌てて後ろを振り向くが、誰もいない。
専門医「いんにゃ! わたしは脳の専門家などではない! 断じてない! 違うだよ!」
次の瞬間、はっと気付いたように慌てて
専門医「違わない! 私が脳の専門家だった!」
T.F.「脳が痛いんです!!」
専門医「じゃあ診てみましょう、ガンビーさん!」
専門医はいきなりT.F.のズボンに手を掛け、脱がそうとする。
T.F.「違うよぉ! (頭を指さしながら)ぼくの脳はここだよぉ!」
専門医「あ〜! ごめ〜ん!」
専門医はT.F.の頭をバシバシ叩く。
専門医「出さなきゃね!」
T.F.「え〜! 出すのぉ〜?!」
専門医「そう! 残さず全部! 看護婦さ〜ん! 看護婦さ〜ん!」
いたって普通の看護婦が入ってくるが、専門医もT.F.もそれに気付かない。
専門医「看護婦さ〜ん! 看護婦さ〜ん! 看護婦さ〜ん!」
やがて、目の前に看護婦が立っているのに気付いて「びくっ」とする。
専門医「看護婦さん、ガンビーさんを脳外科医に案内して!」
看護婦「はい、先生」
看護婦はT.F.に手を貸し、部屋の外へ出る。
専門医「ぼくのメスどこいったぁ〜?!」
看護婦「(声のみ)彼は名医ですわ」
専門医「ぼくのメスってば、どこいっちゃたんだよ〜?!」
専門医はふと自分の頭に手をやる。
専門医「ぼくも脳が痛い」
場面変わって、「DARLINGTON MEMORIAL HOSPITAL」。サイレンを鳴らしながら救急車が入ってくる。
場面は手術室に移り、バックにアメリカのTVドラマ『Dr.Kildare』のテーマが掛かる。手術台にはT.F.が横たえられている。
脳外科医「手袋」
助手が手袋を渡す。
脳外科医「眼鏡」
助手が眼鏡を掛けさせる。
脳外科医「ちょび髭」
助手は脳外科医の鼻の下に髭を張り付ける。
脳外科医「ハンカチ」
助手が四方を結ったハンカチを脳外科医の頭にかぶせる。脳外科医はガンビーに変わってしまう。
脳外科医「手術するぞぉ〜〜!!」
脳外科医は大型の木槌でT.F.の身体をガンガン叩き、手術医達(全員ガンビー)も口々に「手術するぞぉ〜〜!」と叫びながら、T.F.の身体を切り刻もうとするが、誰も頭には手を掛けていない。
T.F「(目を覚まして)おいっ!」
脳外科医「おぅ!麻酔忘れた! 麻酔持ってこ〜い!麻酔持ってこ〜い!」
手術室の扉が映るが、変化がない。
医者全員「麻酔持ってきて〜! 麻酔持ってきて〜! 麻酔持ってきて〜!」
やがて再び手術室の扉が映るが、麻酔医はその横の壁をぶち抜いて現れる。麻酔医もやはりガンビーである。
麻酔医「麻酔かけにきました〜! せ〜の!」
麻酔医は麻酔のボンベを振りかぶって、T.F.の頭にボンベを打ち下ろした・・・・・
END
| あのガンビーの独特の話し方を文章で表現するのは、非常に困難な作業でした。というわけで、字のサイズが大きいところは、そのガンビー口調の部分です。ガンビー口調がいかなるものであるかというのは、やはり実際見てもらうのが一番で、がんばって「空飛ぶモンティパイソン」のEを探してください! 途中に登場する看護婦を演じているのは、キャストにある通り当時のエリック・アイドル夫人。パイソンの中では所謂「裏方さん」をやっていた人で、他にもいくつかのスケッチに出ているようです。 |
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